【実測】ツール・ド・フランス2026のタイヤ幅がスゴい!28mm・30mmは実際何mmになる?

タイヤ

「30mmタイヤの時代が来た」……だけじゃない

ロードバイクのタイヤ幅が、どんどん太くなっている。

昔のプロロードレースを知っている人なら、23mmタイヤが当たり前だった時代を覚えているでしょう。25mmが「ちょっと太くなったな」、28mmになると「それ、レースで使うの?」なんて時代もあった。

ところが今はどうだ。

ツール・ド・フランスを走るプロのロードバイクには、28mmや30mmのタイヤが普通に使われている。

「じゃあ30mmが新しい正解なのか?」

……ところが、話はそんなに単純じゃない。

今回、ツール・ド・フランス出場選手のタイヤを26本実測したデータを見ると、もっと面白い事実が浮かび上がる。

公称28mmのタイヤが30mmを超える。

公称30mmのタイヤが33mmを超える。

逆に、

公称30mmなのに実測29mm前後しかない。

「おい、30mmって何なんだよ」

という話である。

今回の記事で一番伝えたいのは、

タイヤのサイドウォールに書いてある「28mm」「30mm」という数字だけでは、実際のタイヤ幅は判断できない。

ということだ。

そして、現代のロードバイクでは、

タイヤ × リム内幅 × ケーシング × 空気圧 × フレームクリアランス

を一つのシステムとして考える必要がある。

今回は、ツール・ド・フランスのプロ機材を実測したデータから、そこまで掘り下げてみよう。


【ワイズロードオンライン】

26本のプロタイヤを測って分かった「30mm時代」の正体

今回のサンプルでは、ツール・ド・フランス出場選手のロードバイクおよびTTバイクに装着された26本のタイヤをノギスで実測している。

まず注目したい数字がこれだ。

項目数値
実測タイヤ幅の平均30.29mm
公称サイズの中央値28.5mm
公称値との差約+1.79mm
ロードバイク平均30.82mm
TTバイク平均29.68mm
フロント平均30.72mm
リア平均29.87mm

平均実測幅は30.29mm。

ところが、公称サイズの中央値は28.5mm。

つまり今回のサンプルでは、表示サイズより実際のタイヤのほうが平均で約1.79mm広かった

1.79mmなんて大したことない?

いやいや。

ロードバイクの世界で1.79mmをナメちゃいけない。

特に最新のエアロロードでは、フレームとタイヤのクリアランスが数mm単位で設計されている。

「28mm対応だから28mmを買いました」

では安心できない。

その28mmが、実際には31mmだったらどうする?

フレームとタイヤが仲良く肩を組んで走ってくれるならいいが、実際には擦る。


☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★ \取扱商品数30,000点以上。国内最大級の自転車通販サイト/ \  ロードバイク・クロスバイク・折りたたみ自転車・ / \  自転車パーツ・サイクルウェア・ヘルメット など / ▼ ワイズロードオンライン
ワイズロード ONLINE
日本最大級のスポーツ自転車専門店「ワイズロード」の通販サイト。ロードバイク、クロスバイク、折りたたみ自転車などをはじめ、自転車パーツやサイクルウェアなど3万点以上の豊富な品揃え、お買い得なアウトレットコーナーもあります。7000円以上送料無...
☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆★

公称サイズで見ると30mmが28mmを逆転

今回のサンプルで最も多かった公称サイズは30mm。

30mmが12本、28mmが11本。

つまり、わずかな差ではあるものの、30mmが28mmを上回った。

一方で、25mmを使用していたロードレース用バイクはほぼ姿を消し、今回のサンプルではポガチャルのColnago TT2のようなTTバイクが代表例となっている。

これは単純に、

「プロが太いタイヤを好むようになった」

という話ではない。

ロードバイクそのものが変わったのだ。

ワイドリム化。

タイヤの高性能化。

フレームクリアランスの拡大。

空力設計の進化。

そして、低い空気圧を使いやすくなったこと。

これらが全部つながっている。

つまり、

タイヤだけが太くなったのではなく、ロードバイク全体がワイドタイヤを受け入れる設計へ変化した。

ここが重要だ。


なぜ28mmタイヤが30mmになるのか?

では、なぜ公称28mmが実測30mm以上になるのか。

主な要因は、

  1. リム内幅
  2. タイヤのケーシング構造
  3. ビード周辺の形状
  4. タイヤ断面形状
  5. 空気圧
  6. タイヤとリムの組み合わせ

などだ。

中でも、まず押さえたいのがリム内幅


ワイズロードの自転車・パーツ・サイクルウェア通販サイト

ワイドリム化がタイヤ断面を変える

現在のレーシングホイールでは、内幅22~25mmクラスも珍しくない。

リムの内幅が広くなれば、同じタイヤでもリム上での断面形状が変わる。

例えばポガチャルのColnago Y1RS。

公称サイズは、

フロント28mm/リア28mm

リム内幅は、

23.5mm。

ところが実測すると、

フロント31.6mm/リア30.84mm。

28mmタイヤが、30mmを超えている。

これだけ見ると、

「じゃあワイドリムなら全部太くなるんだな」

と思うでしょう。

ところが、そうでもない。

ここがロードバイクの面倒くさいところだ。


同じ30mmでも、実測値はまるで違う

レムコ・エヴェネプールのセッティングを見てみよう。

公称サイズは、

30mm/30mm。

ところがリム内幅は21mm。

実測値は、

フロント29.42mm/リア28.89mm。

今度は30mmより細い。

同じ「30mm」という数字なのに、

  • モホリッチ:33mm台
  • レムコ:29mm前後

と、これだけ違う。

つまり、

「公称サイズ=実測幅」という考え方では、現代のタイヤを正しく比較できない。

ということだ。


最大値は33.65mm!モホリッチのSpecialissimaが強烈

BIANCHI ( ビアンキ ) ロードバイク SPECIALISSIMA RC DURA-ACE DI2 ( スペシャリッシマ RC デュラエース DI2 ) カーボン/チェレステメタリック/チェレステ 55 ( 身長目安175cm前後 )


今回もっともインパクトのあるデータが、マティオ・モホリッチのBianchi Specialissima。

公称サイズは、

F30/R30mm

リム内幅は、

23mm。

ところが実測値は、

F33.31mm/R33.65mm。

リアに至っては33.65mm。

今回測定された中で最大級の幅だ。

「30mmって書いてあるのに33.65mmって、もう別のタイヤじゃねえか」

と思いたくなる。

しかし、これが現代のレーシングタイヤだ。

ここで重要なのは、単純に「太いから速い」という話ではない。

ワイドタイヤは、同じ荷重条件ならより低い空気圧設定との組み合わせを取りやすく、荒れた路面での追従性やグリップ、振動吸収性を高められる可能性がある。

ただし、幅が増えれば空力面で有利になるとは限らない。

だから重要なのは、

タイヤ幅単体ではなく、タイヤとリムの空力的な整合性。

ここまで考える必要がある。


タイヤを太らせているのはリムだけではない

もう一つ重要なのがケーシングだ。

ケーシングは、タイヤの形状を保持し、空気圧を受け止め、路面からの入力をタイヤ全体へ伝える骨格部分。

現代のレーシングタイヤは、このケーシング設計もかなり進化している。

同じ公称サイズでも、タイヤモデルが変われば装着後の断面形状も変わる。

だから、

28mm+23mmリム=必ず30mm

とはならない。

ここは注意したい。

実際、

  • モホリッチ:公称30mm → 実測33mm台
  • ポガチャルY1RS:公称28mm → 実測31mm台
  • レムコ:公称30mm → 実測29mm前後

というように、結果はかなりバラついている。

つまり実測幅を決めるのは、

リム内幅だけでも、タイヤ幅だけでもない。

タイヤとリムの組み合わせそのものなのだ。


プロ選手のセッティングを見ると、さらに面白い

ここからは、プロの機材を単なる「スペック表」としてではなく、セッティングの思想として見てみよう。

ライダーバイク公称F/Rリム内幅実測F/R
ビンゲゴーCervélo S530/29mm25.4mm33.2/29.9mm
モホリッチBianchi Specialissima30/30mm23mm33.31/33.65mm
ポガチャルColnago Y1RS28/28mm23.5mm31.6/30.84mm
レムコ30/30mm21mm29.42/28.89mm
ポガチャルColnago TT225/25mm22mm28.2/27.94mm

ここで見るべきなのは、「誰が何mmを使ったか」だけじゃない。

同じ公称サイズでも、装着条件によって実測幅が大きく変わる。

これが今回のデータの核心だ。


ビンゲゴーの「F30/R29」は何を意味するのか?

Cervélo S5のビンゲゴーは、

フロント30mm/リア29mm。

リム内幅は25.4mm。

実測値は、

F33.2mm/R29.9mm。

フロントだけを見ると、かなりワイドだ。

これは、フロントタイヤに求められるグリップやステアリングフィールを重視したセッティングとして考えると興味深い。

フロントはコーナリング時の横方向の荷重を受け、ブレーキングでも大きな役割を担う。

一方、リアは駆動輪としてのグリップを確保しながら、空力やフレームクリアランスなどとのバランスも必要になる。

だから、

F30/R29

という非対称な選択には合理性がある。

もちろん、プロ選手本人やチームが明確にこの理由を公表していない場合は断定できない。

だが、実測データを見る限り、

フロントにより大きなタイヤ断面を持たせる方向性

は読み取れる。


フロント30.72mm、リア29.87mm――数字にも傾向が出ている

今回の平均値でも、

フロント:30.72mm

リア:29.87mm

となっている。

約0.85mmの差。

わずかな数字に見えるが、これは現在のレーシングバイクが「前後同じ幅」にこだわっていないことを示す興味深いデータだ。

フロントでは、

  • グリップ
  • ステアリングフィール
  • 路面追従性
  • ブレーキング時の安定性

などが重要。

リアでは、

  • 駆動力
  • 転がり
  • 空力
  • フレームクリアランス

などとのバランスが必要になる。

だから今後は、

「前後同じタイヤ幅が普通」という考え方も見直される可能性がある。

タイヤも前後で役割が違う。

だったら幅が違ってもおかしくない。


ロードバイクとTTバイクは、同じ「速さ」でも考え方が違う

ロードバイクの平均実測幅は、

30.82mm。

TTバイクは、

29.68mm。

差は1.14mm。

TTでは、フロントエリアの空気抵抗やフォーク周辺の気流管理が特に重要になる。

ライダーがエアロポジションを取る以上、車体側でも空力性能を徹底的に追求する必要がある。

だからTTではロードバイクよりタイヤ幅を抑える傾向がある。

しかし、昔のTTバイクを知っている人なら、この数字を見て逆に驚くはずだ。

ポガチャルのColnago TT2は、

公称25mm。

実測すると、

F28.2mm/R27.94mm。

昔の19mmや21mmのTTタイヤと比べれば、十分ワイドだ。

つまり、

TTもワイド化している。ただしロードバイクほどではない。

これが正確な表現だ。


フックレスだから太る?――そんな単純な話じゃない

リム形状についても見ておきたい。

今回のデータでは、公称サイズに対する実測幅の増加量に、

  • フックレス:約+0.61mm
  • フック付き:約+1.7mm
  • ミニフック:約+1.9mm

という傾向が見られた。

数字だけ見ると、

「フックレスよりフック付きのほうが増えてるじゃねえか」

となる。

しかし、ここから、

「フック付きだから太る」

と結論づけるのは危険だ。

なぜなら、リム内幅、タイヤモデル、ケーシング、ビード形状など、ほかの条件が違うからだ。

例えば、同じ公称30mmでも、

  • ルーク・プラップ:実測F30.54/R31.04mm
  • モホリッチ:実測F33.31/R33.65mm

と大きく違う。

したがって、リムのフック有無だけでタイヤ幅を説明することはできない。

リム内幅とタイヤ構造の影響をまず見るべきだ。


「30mmだから速い」は、ちょっと雑すぎる

ここまで読んで、

「じゃあ30mm買えばいいんだろ?」

と思った人。

……落ち着け。

そういう話じゃない。

30mmが絶対的に速いわけでもない。

28mmが古いわけでもない。

25mmが全部ダメなわけでもない。

重要なのは、

どのタイヤを、どのリムに装着し、何mmになり、どの空気圧で、どんな路面を走るのか。

です。

例えば同じ28mmでも、

内幅21mmのリムと、

内幅25mmクラスのリムでは、

装着後の断面形状や実測幅が変わる可能性がある。

したがって、

「28mm vs 30mm」

ではなく、

「自分のホイールに装着した結果、何mmになるのか?」

で考える。

これが上級者のタイヤ選びだ。


自分のロードバイクなら、何mmを選ぶべきなのか?

ここでようやく我々一般ライダーの話になる。

まず確認すべきなのは、フレームのタイヤクリアランス

メーカーが「最大32mm」と書いてあったとしても、実際に使うタイヤの実測幅が32mmぴったりなら安心とは限らない。

ホイールの振れ、タイヤ個体差、泥や小石の侵入なども考える必要がある。

特にレース志向なら、

「入った」ではなく「余裕を持って使える」

ことが重要だ。


タイヤ選びで確認したい5項目

1.フレームクリアランス

最優先。

実測幅に対して十分な余裕があるか確認する。

2.リム内幅

同じタイヤでも、内幅によって装着後の幅が変わる。

3.タイヤモデル

同じ28mmでも、メーカーやモデルが違えばケーシングや断面形状が違う。

4.推奨空気圧

タイヤ幅を変えれば、適正空気圧の考え方も変わる。

5.実測幅

最終的に確認したいのはこれ。

サイドウォールの数字ではなく、実際に装着した状態。


これからのロードバイクは「タイヤ幅」ではなく「実測幅」で考える

今回のデータから、一つ明確に言えることがある。

それは、

タイヤの公称サイズだけでは、現代のロードバイクを正しく評価できない

ということだ。

公称28mmが、

31mmになる。

公称30mmが、

33mmになる。

一方で、公称30mmが、

29mm前後になる場合もある。

この差を生むのは、

タイヤ × リム内幅 × ケーシング × 空気圧 × 装着条件

の組み合わせだ。

だから今後タイヤを選ぶときは、

「28mmにしよう」

ではなく、

「このタイヤを、このリムに装着したら実測何mmになるのか?」

と考えてほしい。

さらに一歩進めるなら、

「その実測幅で、自分の走りに必要な空力、転がり、グリップ、快適性をどうバランスさせるか?」

まで考える。

ここまでやれば、単なるタイヤ交換が立派な機材セッティングになる。


まとめ|プロの「数字」ではなく「考え方」を盗め

今回のツール・ド・フランスの実測データから見えてきたのは、

「プロが30mmタイヤを使うようになった」

という単純な話ではない。

本当の変化は、

ロードバイクのタイヤ選びの基準そのものが変わった

ということだ。

昔は、

23 → 25 → 28 → 30mm

という数字を追えばよかった。

今は違う。

タイヤ

×

リム内幅

×

ケーシング

×

空気圧

×

フレームクリアランス

×

空力

×

路面条件

まで考える。

つまり、

「何mmのタイヤを使うか」ではなく、「装着した結果、何mmになり、それが自分のバイクと走りにどう作用するか」

を考える時代になった。

だから、プロ選手の機材をそのまま真似する必要はない。

ビンゲゴーが30mmだから30mm。

ポガチャルが28mmだから28mm。

そんな単純な話じゃない。

プロ選手がなぜそのタイヤ、そのリム、その幅を選んでいるのか。

そこにある考え方を盗む。

それを自分の体重、走るコース、ホイール、フレーム、空気圧に落とし込む。

それが本当の機材選びだ。

次にタイヤを買うとき、サイドウォールの「28mm」「30mm」だけ見て安心しないこと。

「で、お前、本当に何mmなんだ?」

ノギスを当ててみる。

ロードバイクのタイヤ選びは、とうとうそこまで来た。

28mmか30mmかでケンカしてる場合じゃない。

その28mmが何mmになるのか。

そこからが、本当のタイヤ選びだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました