TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S – ヒルクライム最強バイクは本当に何が違うのか

フレーム

TIMEというブランドの特徴

TIMEというブランドを一言で表すなら「高度な技術力と実験値に基づいた調和の超級バランス」といったところだろう。TIME ALPE D’HUEZ DISC F/Sは、そのブランドの中でも特にヒルクライムに特化したモデルで、輝かしい伝統と新しい技術を組み合わせている。

身辿を減らし、矩格まで振動を吸収し、なおかつ乗り手の力を直接前方に送るこのバイクの特徴を、いまから解説していく。

TIME ALPE D’HUEZ DISC F/Sのフレームセット。ゴールドの塗装が際立ち、RTM製法による高剛性・軽量カーボン構造を採用。ヒルクライムとロングライドに適したバランスの取れた設計が特徴です。

【TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S のスペック】

● フレーム素材と制作法

TIMEのロードバイクフレームに使用される素材構成を示しています。100%ハイモジュラス・カーボンを基盤とし、ヴェクトラン™/ハイモジュラスカーボンのハイブリッド層、さらにダイニーマ/ミッドモジュラスカーボンのハイブリッド層を組み合わせ、剛性と振動吸収性を両立させています。
  • RTM製法 (Resin Transfer Molding) を採用。プリプレグ法と違い、滑らかで向一の剥離体を持つ。
  • 液晶ポリマー「LCP (Liquid Crystal Polymer)」を組み込むことで、振動吸収性を大幅に向上。

● 重量

TIME ALPE D’HUEZ DISC F/Sのフレームセットを示しています。ゴールドの塗装が特徴的で、RTM製法による精密なカーボン構造を採用。軽量かつ高剛性で、ヒルクライム性能と快適性を両立しています。
  • フレーム重量: 実況によるが「約2kg前後」の構成でも強い走りを実現。

● 剛性と振動吸収性

TIMEのロードバイクのフロント周りをクローズアップしたもの。カーボンフォークとピンクのフレームが特徴で、ディスクブレーキ仕様を採用。エアロ形状と高剛性・振動吸収性を両立し、操作性に優れた設計になっています。
  • 剛性Trek ÉmondaやCannondale SuperSix EVOと比べても高く、ダンシングでも力を直接送れる体感
  • LCPの影響で振動吸収性が高く、ロングライドの疲労を大幅に減らす。

【主要な競合モデルとの比較】

● Trek Émonda SLR

TREK ( トレック ) ロードバイク EMONDA SLR 9
  • 効率の高い軸剛性
  • 何よりも返しが大きく、スプリント性が高い
  • 振動吸収性は比較的低い

● Specialized Aethos

  • 超輕量で滑らかなペダリング
  • しなりと清潔なハンドリング
  • 但し、剛性が軟らかく、ダウンヒルの安定感は低め

● Cannondale SuperSix EVO

CANNONDALE ( キャノンデール ) ロードフレーム SuperSix EVO
  • バランスの良いオールラウンドバイク
  • ダウンヒル性能が高く、コーナーの付きの良さが伸びる
  • ロードレースだけでなく、クライミングとスプリントも計算に入った一台

TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S を他の軽量ヒルクライムバイクと比較し、剛性バランス、フレーム素材、ジオメトリー、登坂性能、ダウンヒル性能の観点から考察します。

比較項目TIME ALPE D’HUEZ DISC F/SSPECIALIZED AETHOSTREK ÉMONDA SLRCANNONDALE SUPERSIX EVO LAB71
剛性バランス高い横剛性+適度な縦方向の柔軟性(LCP採用)非常にしなやかで、ペダリング剛性は低め高剛性でダンシング向き軽量性と剛性のバランスが良い
フレーム素材RTM工法+液晶ポリマー(LCP)FACT 12r カーボン800 Series OCLV CarbonSeries 0 Carbon
ジオメトリーの特徴クライミング向けだがダウンヒル安定性も考慮クライミング特化のジオメトリーエアロ要素を含むがオールラウンドスプリント性能も重視したジオメトリー
登坂性能剛性と軽さのバランスが良く、一定ペースでの登坂が得意軽量性を活かしたスムーズな登坂高剛性でトルクをかけやすいパワーをかけるライダー向け
ダウンヒル性能剛性のバランスが良く、コントロールしやすい剛性が低く、やや不安定剛性が高く、安定性がある高速域でも安定したハンドリング

エアロ性能

モデルエアロ性能
TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S低め(エアロ非特化)
Trek Émonda SLR一部エアロ形状を採用
Specialized Aethosほぼエアロ要素なし
Cannondale SuperSix EVOエアロロードに近い形状

TIMEの優位性:

  • 純粋なエアロバイクではないが、無駄な形状を排除したスムーズなデザイン
  • 完全なヒルクライムバイクの中では、バランスの取れた形状
TIMEのロードバイクのフロントとBB周辺をクローズアップしたもの。レッドのフレームにホワイトのロゴが映え、カーボンフォークとエアロ形状が特徴。剛性と振動吸収性を両立し、パワー伝達と快適性を追求した設計が際立っています。
TIMEのロードバイクのBB周辺をクローズアップしたもの。カーボンフレームにDURA-ACEクランクを装備し、高剛性かつ効率的なパワー伝達を実現。TIME独自のRTM製法が振動吸収性と剛性バランスを両立させています。
TIMEのロードバイクのリアセクションをクローズアップしたもの。ブルーのフレームとカーボン素材が際立ち、ディスクブレーキ仕様で制動力とコントロール性を強化。剛性と振動吸収性のバランスに優れた設計が特徴です。

TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S の上級者目線での利点

  1. RTM工法とLCP(液晶ポリマー)の採用による剛性と振動吸収のバランス
    • RTM工法により、カーボン積層が均一になり、剛性のバラつきが少ない。
    • LCP素材が振動を効果的に吸収し、ロングライドや荒れた路面でも快適性を維持。
  2. ヒルクライムに最適な剛性バランス
    • 高い横剛性によりパワーロスを抑え、ペダリング時の剛性感が強い。
    • しかし、縦方向の柔軟性を確保しているため、脚への負担が少ない。
  3. ダウンヒル性能の高さ
    • 軽量ヒルクライムバイクの中では剛性感が高く、ダウンヒル時の安定感が高い。
    • AETHOSのように軽量化だけを優先したバイクと異なり、高速域でもバイクが暴れにくい。
  4. クライマー向けながらもエアロを意識した設計
    • 完全なエアロロードではないが、ケーブルフル内装やスムーズなフレーム形状により、エアロ効果も一定水準で確保。
TIMEのロードバイクのBB周辺をクローズアップしたもの。フレームには「BIO-BASED DYNEEMA® FIBER AT HEART」のロゴがあり、高強度で軽量なダイニーマ繊維を使用。剛性・耐久性・振動吸収性を高次元で両立しています。

【結論】TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S はどんなライダーに最適か

TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S は、単なる輕重ヒルクライムバイクではない。そのフレームに統合されたRTM製法による静的剛性、LCPを利用した振動吸収性、なおかつ、ダウンヒルでも振り回されない高いスティーリング性を備えている。

● このバイクを選ぶべきライダー

  • ヒルクライマー:身辿を削ってでも発乗力を求める上級者
  • ロングライド主体の上級者:疲れを身辿に換えない、高い振動吸収性と乗り心地を求める人
  • ダウンヒルでも安定感を求める人:高速ダウンヒルでも振り回されず、直感的に制御できるバイクが欲しい人

上記のようなライダーにとって、TIME ALPE D’HUEZ DISC F/S は受け取る価値が大きい一台だろう。

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