PINARELLOはレースのシーンで数々の実績を誇るブランドですが、エンデュランスモデルの展開も多くのサイクリストに支持されています。
今回は「TRUE CYCLING EXPERIENCE」を掲げたPINARELLO X3 105 Di2を詳しく紹介します。
このエンデュランスロードバイクは、パフォーマンスと快適性を両立させたデザインで、長距離ライドでもスムーズかつ速く走れます。
エンデュランスロードバイクとは?
エンデュランスバイクは、主に20-30km/h程度のサイクリングスピードで長距離を快適に走ることを目的に設計されています。
一方でレーシングバイクほどの軽快な加速感は少ない傾向がありますが、PINARELLOのXシリーズはその欠点を補い、レーシングDNAを持ちながら快適性を提供する新しいエンデュランスバイクです。
主要テクノロジーと設計の特徴
- FLEX STAYS
独特なS字形状のステーにより、しなりやすく、路面からの振動や衝撃を効果的に吸収。重量や空力性能に妥協しないデザインが特徴です。 - TORAYCA T600カーボン
UDカーボンを使用し、特定方向への力の伝達が得意なレイアップを採用。振動吸収性に優れ、心地よい乗り心地を提供します。 - ENDURANCE+ジオメトリ
エンデュランスライディングに最適なポジションを実現するジオメトリで、特に下り坂での安定感が高く設計されています。長距離ライドでも疲れにくく、快適なライドが楽しめます。
実際の乗り心地とインプレッション
ハンドリング
PINARELLO X3は、エンデュランスバイクらしく直進安定性が高く、特に長距離でのハンドリングの安定感が抜群です。
ハンドル操作が素直で扱いやすいため、初心者から経験豊富なライダーまで誰でも安心して乗ることができます。
特に下り坂や高速コーナリングでの安定感が優れており、スムーズにラインをトレースすることができます。
- 直進性と安定性: ロングライドでの疲れを軽減し、リラックスして走行可能。
- コーナリング: エンデュランスジオメトリのおかげで、下り坂での安定感が高く、コーナリングでも余裕のあるライディングが可能。
振動吸収性
PINARELLO X3は、FLEX STAYSやTORAYCA T600カーボンの技術を駆使して振動吸収性に優れています。
S字形状のシートステーが、路面からの細かい振動をしっかりと吸収し、ライダーへの負担を軽減してくれます。
特に荒れた路面や長時間のライドでの快適性が大きなメリットです。
- 荒れた路面での性能: パリ〜ルーベなどのクラシックレースにも対応できるレベルで、細かな振動をしっかり吸収。
- 長時間ライドの快適性: 長距離でも腰や背中の負担を軽減し、快適さが保たれることで、ライディングがより楽しくなり、質の高い走りが楽しめます。
反応速度
レーシングDNAを受け継いでいるPINARELLOらしく、X3はエンデュランスバイクでありながらも反応速度が非常に良いです。
加速時にフレームがスムーズに力を伝達し、シャープな加速感が楽しめます。エンデュランスバイクの中では、トップクラスの反応性を備えています。
- 加速性: ハードなペダリング時でもしっかりとパワーが伝わり、素早くスピードに乗ることが可能です。
- スプリント性能: レーシングバイクほどではないものの、日常的なトレーニングやサイクリングでの加速感を十分に楽しめます。
ペダリング
X3はペダリングのしやすさが際立っています。剛性が適度に調整されているため、パワーロスを最小限に抑えつつ、無理なく効率的に踏み込むことができます。
特にエンデュランスバイクとしての特徴を活かした長距離ライドでは、持続的なペダリングが疲れにくい設計です。
- 効率的なパワー伝達: カーボンのしなやかさと剛性のバランスが良く、ロングライドでも脚に優しいペダリングが可能です。
- 自然な踏み心地: 足回りがスムーズで、ペダリングのリズムが取りやすいのが特徴です。
ダンシング
ダンシング時の安定性と反応性のバランスが良く、立ち漕ぎでの加速感が心地良いです。
チェーンステーの絶妙な長さによって、ダンシング時でも適度な安定感があり、コントロールしやすいのが特徴です。
- 安定したダンシング: ダンシング時にバイクがぶれにくく、余分な力を使わずに推進力に変えやすいです。
- 坂道でのパフォーマンス: ゆるやかな登り坂でも快適なダンシングができるため、長い坂道でも疲れにくいです。
各項目におけるPINARELLO X3 105 Di2の評価を4項目(★)でまとめました。
項目 | 点数 (4項目) | 説明 |
---|---|---|
ハンドリング | ★★★★ | 直進安定性が高く、コーナリングでも安定感があり、高速域でのハンドリングも安心感があります。 |
振動吸収性 | ★★★★ | カーボンフレームとFLEX STAYSの効果で、荒れた路面でも振動をしっかり吸収し、快適性が高いです。 |
反応速度 | ★★★ | エンデュランスバイクながらも素早く反応し、踏み込んだ瞬間の加速がスムーズです。 |
ペダリング | ★★★★ | パワー伝達効率が良く、長距離ライドでも疲れにくい設計。適度な剛性としなやかさが両立されています。 |
ダンシング | ★★★ | 坂道や立ち漕ぎでの安定感が高く、力をかけやすい。特に中~緩やかな登りでのパフォーマンスが良いです。 |
タイヤクリアランスと最新のイノベーション
32cのチューブレスタイヤが標準装備され、さらなる安定感と軽快さが得られます。チューブレス化することで、パンクのリスクを減らし、よりスムーズなライドが可能です。
コンポーネント構成
- 105 Di2 電動シフティング
105 Di2は、バッテリーの持ちが良く、サイクリングユースに最適なグレードです。 - 機械式モデル(X1)と比べると、シフティングが一層スムーズになり、操作感がさらに向上しています。変速がより自然に感じられるため、ライド中も思い通りのシフト操作が可能です。
9つのサイズ展開とほぼオーダーメイドのフィット感
PINARELLO Xシリーズは9つのサイズで展開されており、MOSTのハンドルやステムのバリエーションも豊富です。これにより、幅広いライダーが自分にぴったりのサイズを見つけることができます。
空力性能とデザイン
- TiCR ケーブル統合システム
内部配線が採用されているため、エアロダイナミクスが向上し、外部ケーブルを使用する場合に比べて自然な形で風の抵抗を減らし、約5ワットのパワーを節約できます。これにより、無理なくスピードを維持しやすく、長距離ライドでも効率的に走行可能です。 - エアロ形状のシートポスト
ヘッドチューブとシートチューブが空力的に最適化されていることで、ライド中に自然な感覚で風を切り、スピードアップに貢献します。これにより、ライダーのパワーを無駄なく活かし、スムーズにさらなるスピードを引き出せる設計となっています。
PINARELLO Xシリーズのフレーム仕様
以下がPINARELLO Xシリーズのフレーム仕様の表です。
項目 | 仕様 |
---|---|
フレーム素材 | Carbon T600 UD仕上げ |
フレーム技術 | 非対称フレーム、ツインアーム、専用Ondaフォーク、専用エアロシートポスト、専用FSCフロントシートクランプ(統合型・エアロ)、Think 2(電子式またはShimano機械式グループセット対応、SramおよびCampagnolo機械式グループセット非対応)、TiCR内部ケーブルルーティング、Flatbackプロファイル、フォークフラップ |
ヘッドセット規格 | TiCR統合型ヘッドセット(1.5上・1.5下) |
BB規格 | イタリアンネジBB |
タイヤクリアランス | 最大タイヤ:700c x 32 mm |
ブレーキシステム | RAD SYSTEMディスクブレーキ、ディスクフラットマウント(最大φ160 mm) |
スルーアクスル規格 | 前:φ |
まとめ
PINARELLO X3 105 Di2は、エンデュランスバイクでありながら、レーシングバイクのような俊敏な反応と安定感を兼ね備えた一台です。
長距離ライドでの快適性はもちろん、反応性の良さからサイクリングの楽しさを存分に引き出してくれるバイクです。
特に、振動吸収性と快適なライディングポジションにより、荒れた路面や長時間のライドでもストレスを感じにくいのが魅力です。
このバイクは、日常的なサイクリングやトレーニング、長距離ライドを楽しむ全てのサイクリストにおすすめです。
PINARELLOの伝統的なレーシングスピリットを感じつつ、エンデュランスバイクとしての優れた快適性を提供するPINARELLO X3は、まさに「楽に速く走る」を体現したモデルと言えるでしょう。
PINARELLO ( ピナレロ ) ロードバイク X3 DISK (105 Di2 12S) D161 KEEN RED ( キーンレッド ) 51.5 (適応身長目安170cm前後)
PINARELLO ( ピナレロ ) ロードバイク X3 DISK (105 Di2 12S) D160 DEEP BLACK ( ディープブラック ) 46 (適応身長目安160cm前後)