※ 本記事の内容は、
MOCO FITNESS から発信されたものである。
MOCO FITNESS――
感覚論、根性論、精神論。
そういうフワッとした話を一切しない、
数字と理屈で殴ってくる、珍しいタイプの発信元だ。
「なんとなく速くなる気がする」
「プロが使ってるから正解」
そういう思考停止ワードを嫌って、
・パワー
・空気抵抗
・速度域
・人間の生理反応
この辺を淡々と、でも容赦なく突きつけてくる。
今回の
「軽いホイール=速い、は嘘」
という話も、
MOCO FITNESSの知見を追っていくと、
ああ、そりゃそうだわって腹落ちする。
というわけで今日は、
MOCO FITNESS発のこの理屈を、
ちょっと口悪く、
でも一切ごまかさずに解説していく。
軽いホイール=速い?
ワイズロードの自転車・パーツ・サイクルウェア通販サイト──その考え、まだ引きずってんのかバカヤロウ

まず最初に言っとくけどな。
軽いホイールは速い。これは半分正解。
でもな、その半分を「全部」だと思ってる奴が多すぎる。
ロードバイク界、もう20年以上この話してんのに、まだ終わってねぇ。
成仏しろ。
今日はな、
「軽いホイール=速い」
この化石みたいな定説を、
感覚でも体験談でもなく、
物理・生理・実験データで粉砕する。
いいか?
この記事読み終わったら、
ホイール選びで一生迷わなくなる。
逆に言うと、迷ってるうちは、
まだ数字を理解してねぇってことだ。
【ワイズロードオンライン】
1. ヒルクライム
軽量ホイールは“効く”。だが、夢は見るな
まずは登りだ。
ヒルクライム信者が一番テンション上がる話から行こう。
登坂時の必要パワーは、基本この式だ。
P = mgv + 空気抵抗 + 転がり抵抗
m:ライダー+バイク重量
g:重力加速度
v:速度
はい出ました。
m が小さくなれば、必要パワーは減る。
そりゃそうだ。
軽いホイールは確実に有利。
ここは否定しねぇ。事実だ。
でな、問題はここからだ。
ホイールを300g軽くしたとする。
外周部が軽くなる。
回転慣性も下がる。
「うおお速ぇ!」って錯覚する。
だがな。
計算すると、差はせいぜい数W。
タイム差にすると、数十秒レベル。
つまりこうだ。
- 表彰台の色が変わるかどうか
- 去年の自分に0.5%勝てるかどうか
このレベルの話。
人生変わるほど速くはならねぇ。
軽量ホイールは“最終兵器”じゃない。
最後の削りカスだ。
2. 平地・高速巡航
ここで軽さ語る奴、物理サボってる
さて本番だ。
多くのライダーが一番長く走る領域。
30〜45km/h。
この速度域で何と戦ってるか、分かってるか?
空気だ。
敵は空気。
重量? そんなもん空気の前じゃ子猫だ。
高速巡航時、
消費パワーの約8割が空気抵抗。
しかもな、
空気抵抗は速度の3乗で増える。
40km/h → 45km/h
「ちょっと速くなった」じゃねぇ。
別世界だ。
で、風洞実験の結果。
- 40km/h走行時
- 軽量ホイール vs ディープリム
差:15〜30W
これ、どれくらいか分かるか?
体重2kg減相当。
ディープリム履いただけで、
2kgダイエット成功したことになる。
お前、2kg落とすのに
どれだけ我慢してきた?
ラーメン我慢して、ビール我慢して。
それがな、
ホイール替えただけで同じ効果。
まだ軽さ信じるか?
俺は信じねぇ。
3. 回転性能という名の宗教
セラミック信仰、そろそろやめろ
次。
上級者ほどハマる罠。
「軽いホイールは回転がいい」
「回転がいい=速い」
はい、ここ。
誤解です。
一定速度で巡航してる時、
回転慣性がスピードに与える影響は
ほぼゼロ。
なぜか?
回ってるからだ。
もう回ってんだよ。
止まってねぇ。
回転性能が効くのは、
- 加速
- アタック
- コーナー立ち上がり
この瞬間だけ。
で、その差は?
誤差レベル。
正直言うぞ。
その差、
ディープリムの空力で一瞬で消える。
ベアリングがどうとか、
回転がどうとか、
それで悦に入ってる間に、
空気抵抗で30W吸われてんだ。
宗教は自由だけど、
レースでは数字が神だ。
4. 横風安定性
これは空力の話じゃない。人間の話だ
ここ、超重要。
横風な。
前輪取られるとどうなる?
「うわっ」ってなるだろ。
その瞬間、
無意識に脚緩めてる。
これ、プロでも同じ。
人間の防御反応。
- ハンドリング不安
- 集中力消耗
- 無意識の出力抑制
結果どうなる?
平均パワーが落ちる。
つまりな、
横風に強いホイールってのは、
「安心して走れる」
じゃない。
出力を下げさせない兵器。
Zippとかが横風対策やってるの、
伊達じゃねぇ。
空力だけ見てる奴、
人間を舐めすぎだ。
5. 科学的・用途別ホイール選択
ここでやっと“正解”を教えてやる
じゃあどう選ぶ?
答えはシンプルだ。
ヒルクライム
- リムハイト:35mm以下
- 軽量優先
- 数十秒を削りたい奴向け
ロードレース/エンデュランス
- 巡航速度:30〜45km/h
- リムハイト:40〜60mm
- 重量より空気抵抗削減
ここで軽量選ぶと、
普通に遅くなる。
クリテ/アップダウン
- リムハイト:40〜50mm
- 軽さと空力のバランス
- 加速と巡航の両立
大事なのはな、
「どこで」「どの速度で」走るか。
軽さじゃない。
速度域だ。
結論
速さは“軽さ”で決まらない
もう一回言う。
速さは“軽さ”で決まらない。
速さは“用途と速度域”で決まる。
- 軽量ホイールは条件付きで有効
- 多くの人が走る速度域では空力が支配
- 横風安定性は平均パワーを守る性能
- 数字を知れば、無駄金は減る
いいか?
感覚で語るのは今日で終わりだ。
次にホイール買うとき、
重量表だけ見てたら、
それはもう思考停止だ。
数字を見ろ。
走る場所を見ろ。
速度域を見ろ。
それが分かったら、
もうホイール選びで迷わねぇ。
……まぁ、
それでも迷うなら、
また一緒にバカな話しようや。



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