【ネペスト NOVAX】柔らけぇのに速ぇ!?カーボンスポークの常識ブッ壊す“しなり系ホイール”登場!

ホイール

― “しなやかさで速い”新世代ホイールの真価とは?


【ワイズロードオンライン】

① 導入:剛性信仰からの脱却

「硬ければ速い」──長らくロードホイール選びを支配してきたこの価値観が、いま転換点を迎えている。
ペダリングパワーを一瞬も逃さない高剛性ホイールは、確かに爆発的な加速をもたらすが、その代償として脚への負荷は大きく、長時間の巡航では疲労の蓄積を招く。

ネペスト NOVAX は、そうした“剛性偏重”の常識を再定義する存在だ。
T800カーボンとVONOA第4世代カーボンスポークを組み合わせ、あえて「適度なしなやかさ」を残すことで、踏力を吸収せず、むしろ“反発として返す”ホイール特性を実現している。
単なる中華カーボンの模倣ではなく、設計思想から一線を画す――この一点を検証していく。


② 製品概要:設計思想に宿るバランス

項目内容技術的意図
リム構成フロント45mm/リア55mm空力安定性と横風対応力の最適バランス
カーボン素材東レ T800高反発・高弾性を維持しつつ、過剛性を回避
スポークVONOA 第4世代カーボン弾性変形を利用したトラクション伝達
ニップルインナーチタン仕様空力抵抗低減・軽量化(整備性は犠牲)
ベアリングセラミック(ハイブリッド)回転抵抗を最小化し、巡航効率を最大化
重量約1,265g軽量と剛性の中間設計、オールラウンド指向

設計の特徴は「硬さで速さを作らず、反発の質で速さを導く」点にある。
T800はT1000ほどのドライ剛性を持たないが、その分“しなり”の戻りが滑らかで、入力トルクがホイール全体に分散・蓄積されやすい。
この弾性特性に、VONOAカーボンスポークの復元挙動が加わることで、単なる吸収ではなく“エネルギーの再放出”が可能となっている。

インナーニップル構造は整備性の犠牲と引き換えに空力面で有利。高速巡航時のリム外周部乱流を抑制し、総合効率を重視した設計思想が見える。


③ テスト条件と評価軸

  • テストライダー:体重63kg(スプリント寄り軽量ライダー)
  • タイヤ:28C(空気圧前6.2bar/後6.4bar)
  • 路面:アスファルト舗装/微細なひび割れ含む実走路
  • 評価軸:平坦・下り・振動吸収・スプリント・登坂
  • 評価方式:5段階+コメント分析

条件を明確化することで、評価の相対性を排除し、定量的にフィードバックを得る狙いとした。


④ 実走レビュー:しなやかさが推進力に変わる瞬間

項目評価実走コメント
平坦★★★★☆低速域では粘りを感じるが、35km/h以降で明確に“しなりが伸びに変わる”。入力トルクが自然に前進力へ転化する。
下り★★★★★横風応答性が安定。リム高差による挙動の偏りがなく、セラミックベアリングが慣性維持を支える。
振動吸収★★★★★細かい突き上げを軽減。リム剛性とスポーク復元性の調和により、接地感が途切れない。
スプリント★★★★☆瞬発的なリニア応答は控えめだが、踏力を蓄積して放出する独特の伸び。高出力域で粘る。
登り★★★★☆軽量さではなく、駆動効率で登るタイプ。トルク入力時に失速感が少なく、安定した登坂リズムを維持できる。

特筆すべきは、「反発感」ではなく「伸び」の感覚だ。
剛性ホイール特有の“カツンとした前進”ではなく、入力がホイール全体に溜まり、ワンテンポ遅れてリニアに推進する。
これは明確に力の伝達経路が“しなり→復元→前進”というプロセスを持つことを示している。
LightweightやRoval CLXなど、剛性特化型と比較しても巡航時の脚残りが顕著に異なる。


⑤ デザイン・造形美:機能美の極点

NOVAXの外観は派手さを抑えつつ、リムプロポーションに均整が取れている。
45/55mmの差ハイト構成は前後での慣性バランスを崩さず、実用的な空力効率を確保。
チタンニップルの金属光沢とマットブラックのリムとの対比が、視覚的にも高い完成度を示す。
デカールも過剰な主張を避け、機能的デザインとしての統一感がある。


⑥ 利点と懸念点:冷静な評価バランス

利点

  • 巡航効率の高さと脚当たりの柔らかさを両立
  • 高速域での安定した空力挙動
  • セラミックベアリングによるスムーズな慣性維持
  • 長距離ライドでの疲労蓄積軽減

懸念点

  • インナーニップルによる調整難易度
  • 初期加速時のレスポンス不足
  • デザイン的に一部フレームとの相性が限定的

特にインナーニップル構造は、ホビーメカニックにとって調整負荷が高い。
定期的なテンションチェックには専用ツールの導入が望ましい。


⑦ 推奨ライダー・使用シーン

ライダータイプ相性評価コメント
軽量〜中量級ライダー反発を活かしやすく、疲労蓄積が少ない
回転型(ケイデンス重視)ペダリングテンポを崩さず推進力を維持
トルク型スプリンターダイレクト感を求めると物足りなさあり
ロングライド志向快適性と効率を両立、疲労耐性が高い
ヒルクライム超軽量志向でなければ十分戦える
クリテリウム/ロードレース特に下り・巡航セクションで優位性あり

NOVAXは、剛性競争を超えた“しなやかな速さ”を求める中〜上級ライダーに最も適する。


⑧ 改善余地と今後の展望

現行モデルでの課題は、主に整備性と初期加速特性に集中している。
インナーニップルへのアクセス改善や、ハブ剛性のチューニングによって、さらなるレスポンス強化が期待できる。
また、将来的には30Cタイヤとの空力最適化を再設計することで、次世代のエンデュランス+スピード領域を狙える可能性がある。


⑨ 総評:柔らかく、速いという逆説

ネペスト NOVAX は、従来の「剛性=速さ」という単純構図を超えた存在である。
入力を拒まず、脚の動きを自然に受け止め、反発として前に押し出す。
数値上の軽さではなく、走行中に感じる“持続的な速さ”こそ、このホイールの本質だ。
剛性競争に疲れたライダーが、次に選ぶべきはこの方向性だろう。


⑩ 結びに:次世代の“速さ”を体感せよ

硬さではなく、しなやかさで速くなる――この新しい加速の感覚を、ぜひ実走で確かめてほしい。
ネペスト NOVAX はまだ無名かもしれない。だが、ロードホイールの未来は確実にこうしたバランス設計の先にある。

ネペスト NOVAX の購入先・取扱情報

ネペスト NOVAX は、近年注目を集めている新興ブランドでありながら、正規販売ルートが整備されつつある。
購入時には、正規代理店・認証ショップ・信頼性の高いオンラインストアを利用することが推奨される。
並行輸入や個人輸入では初期不良・保証対応のリスクが残るため、特にハイエンドホイールの購入に際しては注意が必要だ。


🔹 国内正規販売ルート(2025年時点)

区分店舗名・サイト特徴
公式販売サイトネペスト公式オンラインストア(NEPEST JAPAN)最新ロットの入手が可能。リムハイト・ハブ仕様の選択も容易。
正規取扱店ワイズロードオンラインカンザキバイク国内保証対応。事前整備済み出荷で安心感が高い。
海外正規代理NEPEST Official Store(AliExpress内公式認証)最新仕様・限定モデルが先行販売されることもある。送料・関税の確認が必須。

■ Amazon(アマゾン)

現在、一部のNOVAXシリーズはAmazon公式販売チャネルでも取り扱いがあります。配送の速さやポイント還元の面では優位ですが、販売元が「NEPEST JAPAN」もしくは「正規取扱店」であることを必ず確認しましょう。
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🔸 購入時チェックポイント

  1. 製品保証書の有無
     ― 正規品にはシリアルコード付き保証書が付属。保証登録を行うことで、初期不良・スポークテンション不良などに対応可能。
  2. ホイール仕様の確認
     ― フリーボディ(Shimano/SRAM)・リムハイト(45/55mm)・ハブカラー仕様を必ず指定。
  3. 初期点検サービスの有無
     ― 一部販売店では、納品時に振れ取り・ベアリングチェックを実施している。購入前に確認しておくとよい。

💡 購入アドバイス

ネペスト NOVAX は価格帯こそ中堅だが、設計思想や素材は上位ブランドと十分に比較可能なレベルにある。
特に**“剛性よりもしなやかさ”を重視するライダーにとっては、価格性能比(Cost to Performance)が極めて高い。
また、最新ロットではハブ精度やベアリングシール性の改良も進んでおり、購入時は
製造ロット情報(例:Ver.3 以降)**の確認を推奨する。


🧭 総括:購入を検討する前に

ネペスト NOVAX はまだ大手量販ルートでは浸透していないが、
その性能は既に上級ライダーの間で「実走で結果を出せる中華系ホイール」として高い評価を得つつある。
価格帯・性能・サポート体制の三要素を踏まえ、公式ストアまたは正規代理店での購入が、最もリスクの少ない選択肢となるだろう。

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