風を切るスピードと快適性、その両立を実現した1台とは?
ロードバイク選びにおいて多くのライダーが直面するのが、「エアロ性能」と「快適性」のトレードオフです。エアロバイクは高速巡航に優れますが、硬さゆえに長距離では疲れやすい。一方、快適性重視のモデルは空気抵抗が大きく、レースや高速走行では不利になることもあります。
そんなジレンマを解消する存在が「FACTOR OSTRO VAM 2.0」です。プロレースでも使用される性能を備えながら、ロングライドにも対応できる快適性と軽量性を兼ね備えています。初心者〜中級者にも扱いやすく、“速く、そして長く走れる”バイクとして注目されています。
FACTORとは?プロが信頼する次世代バイクブランド
FACTORは、2007年にイギリスで設立されたハイエンドバイクブランドです。母体はF1や航空宇宙業界で培われた高度なカーボン成型技術を持ち、精密かつ高性能なバイク開発に強みを持っています。
UCIワールドチーム「Israel – Premier Tech」に機材提供しており、ツール・ド・フランスなどの世界的レースでも実戦投入されています。プロのフィードバックを製品に直接反映し、実用性と性能を両立したバイクづくりを追求しています。
OSTRO VAM 2.0の主なスペックと構成要素
項目 | 内容 |
---|---|
フレーム素材 | VAM(超軽量ハイモジュラスカーボン) |
フレーム重量 | 約830g(サイズ54) |
フォーク重量 | 約370g |
タイヤクリアランス | 最大32mm |
ブレーキ | フル油圧ディスク(フラットマウント) |
コンポーネント対応 | Shimano Di2 / SRAM eTap AXS / Campagnolo EPS |
ケーブルルーティング | フル内装式(エアロコクピット対応) |
BB規格 | T47(スレッド式) |
シートポスト | 専用エアロシートポスト(D型) |
このように、OSTRO VAM 2.0は現代ロードバイクに求められる規格と最新技術を標準装備しています。
空力性能の進化:15Wの出力削減
前作OSTRO VAMと比べ、2.0では空力性能が大幅に向上しています。実験データによれば、時速40kmで巡航する際の出力が230Wから215Wへと15W削減(※条件同一)されており、同じスピードを維持するのに必要なエネルギーが少なく済みます。
この差は、100km以上のロングライドやレース終盤の脚の残り具合に大きく影響します。改善ポイントは以下の通り:
- 新形状のヘッドチューブとダウンチューブによる整流効果
- 一体型ハンドルとステムの採用で乱流を抑制
- ケーブル完全内装による空気抵抗の最小化
視覚的に効果を確認できるよう、出力比較グラフを以下に示します:
【40km/h巡航時出力比較グラフ】
- 前作:230W
- OSTRO VAM 2.0:215W
FACTOR OSTRO VAM 2.0の特徴
FACTOR OSTRO VAM 2.0は、エアロダイナミクスの最適化と快適性の向上を両立させたバイクです。その革新的な設計アプローチを見ていきましょう。

このモデルの最大の特徴は、エアロダイナミクスと軽量性を両立したカーボンフレーム。最新の風洞解析と3Dシミュレーションによって設計され、フロントエンドの空気抵抗を削減しつつ、高剛性なボトムブラケットによりパワーロスを最小限に抑えています。また、ディスクブレーキを搭載し、高速巡行時の安定性とコントロール性も抜群。
エアロダイナミクス開発へのアプローチ
FACTORは、OSTRO VAM 2.0の開発において、最適なエアロ形状を決定するためにダイナミック・シミュレーションを活用。3Dビジュアライゼーションを用いて、気流を面内だけでなく、3次元空間全体で評価しました。
また、フレームセットを5つの「ゾーン」に分割し、各パートごとに研究開発を行っています。

高度な空力設計:
開発チームは、最適な形状を見つけるために迅速な反復設計と動的シミュレーションを組み合わせ、111回のシミュレーションを実施。
3段階の評価:
各コンポーネント単体での空力特性
完成車全体での空力評価
ライダーが乗った状態での影響分析
3Dビジュアライゼーション:
風の流れを2D面内だけでなく、3D空間全体で解析することで、フレーム形状やライダーとの相互作用を深く理解し、より高度なエアロ最適化を実現。
このプロセスにより、OSTRO VAM 2.0は上流から下流までの空力特性を徹底的に研究し、最適化されたデザインとなっています。
エアロターゲットの設定(5つのゾーン)

ZONE | 特徴 |
---|---|
ZONE 1 | フォークの前面面積を最小化し、形状効率を向上。これにより空力性能を強化。 |
ZONE 2 | ヘッドチューブをよりドラマチックな砂時計型に進化させ、フレーム前方の空気抵抗を低減。 |
ZONE 3 | ヘッドチューブ形状からスムーズな気流をバイク後方まで維持する設計。 |
ZONE 4 | UCIの新レギュレーション(3:1ルール撤廃)に対応し、必要なチューブの最小厚さを削減。 |
ZONE 5 | ボトムブラケット周りの剛性を向上しつつ、上部形状を見直すことで空力性能も向上。 |
さらに、専用設計のボトルケージが付属しており、整流効果を高めることでさらなる空力向上を実現しています。
快適性向上のための3つの工夫
エアロ性能だけでなく、快適性にも優れるOSTRO VAM 2.0。その理由は以下の3点に集約されます:
- 振動吸収性の高いカーボンレイアップ
- カーボン繊維の積層を最適化し、路面からの細かな振動を和らげます。
- ドロップドシートステー設計
- シートステーの取り付け位置を下げることで、リアトライアングルに柔軟性を持たせ、乗り心地を向上。
- ワイドタイヤ対応(最大32mm)
- 28〜32mmの太めのタイヤに対応し、空気圧を下げることでさらなる快適性と安定性を実現します。
この構成により、OSTRO VAM 2.0はブルベやロングライドにも対応可能な“しなやかなエアロロード”として高く評価されています。
他社モデルとの性能比較
モデル名 | フレーム重量 | 空力性能 | 快適性 | タイヤ幅対応 | 価格帯 |
FACTOR OSTRO VAM 2.0 | 約830g | ★★★★★ | ★★★★☆ | 最大32mm | 約110〜130万円 |
S-WORKS TARMAC SL8 | 約780g | ★★★★★ | ★★★☆☆ | 最大30mm | 約140〜160万円 |
Trek Madone SLR | 約950g | ★★★★★ | ★★★★☆ | 最大28mm | 約120〜150万円 |
OSTRO VAM 2.0は空力・快適性・重量・タイヤ幅の全てにおいて高バランスを誇り、価格に対する性能満足度も非常に高いモデルです。
FACTOR OSTRO VAM 2.0のスペック一覧

フレームデザイン: 鮮やかなスプラッシュペイントが施された特別仕様のカラーリング。赤・青・黒の抽象的なパターンがアートのように映える。
ブランドロゴ: フロントフォークにはFACTORのロゴがホワイトで配置され、視認性を高めている。
選手のネームプレート: ヘッドチューブにはカナダ国旗と「GEE Derek」のネームステッカーがあり、プロライダーの特別モデルであることを示している。
ディスクブレーキ搭載: 近代的なロードバイクに必須のディスクブレーキが装備され、高い制動力を発揮。
項目 | 内容 |
フレーム素材 | カーボンモノコック |
重量 | 約6.8kg(完成車・構成による) |
コンポーネント | Shimano Dura-Ace Di2 / SRAM RED eTap AXS |
タイヤの太さ | 最大32mmまで対応 |
ジオメトリ | レース向け設計(詳細は後述) |
エアロダイナミクス | 5つのゾーンで最適化、ボトルケージによる整流効果 |
剛性 | 高剛性ボトムブラケットと軽量化を両立 |
ブレーキタイプ | ディスクブレーキ |
ジオメトリーの特徴と評価
FACTOR OSTRO VAM 2.0は、ハンドリング性能と快適性を両立させたジオメトリを採用しています。
項目 | 星評価 | コメント |
ハンドリング | ★★★★☆ | 高速域での安定性とクイックなレスポンスを両立。 |
振動吸収性 | ★★★★☆ | フレームのバネ感が気持ちよく、ロングライドにも最適。 |
反応速度 | ★★★★★ | ダンシング・シッティング問わず、加速が驚異的。 |
ペダリング | ★★★★★ | 剛性の高いBB設計で、ダイレクトなパワー伝達が可能。 |
ダウンヒル性能 | ★★★★★ | 空力設計により、高速域でも安定感抜群。 |
FACTOR OSTRO VAM 2.0の利点


軽量かつ剛性の高いカーボンフレーム
フレームのラインが流れるように設計されており、高い空力性能とハンドリングの安定性を実現
統合されたケーブルルーティング
ケーブルが完全に内装され、クリーンな見た目と空力性能向上を両立
エアロポジションに最適化された設計
ドロップハンドルの形状が深く、高速巡行時の安定感とコントロール性を向上
- 軽量化と空力性能を両立 … モジュール単位での軽量化により、ヒルクライムでも優れた性能を発揮。
- ダンシング・シッティングどちらも快適 … しなやかなバネ感があり、巡行性能も優秀。
- 異次元の加速力 … ゼロスタートからの爆発的な加速。
- 長時間乗っても快適 … ロングライドにも適した振動吸収性。
- 新しいUCIレギュレーションに対応 … 3:1ルール撤廃を活用した最適化設計。
推奨ライダータイプ:どんな人に合うか?
- ロングライドを快適に楽しみたいが、速さも求めたい人
- 平地巡航性能を重視しつつ、登りにも対応したい中級者
- 初めてのカーボンバイク選びで失敗したくない人
- 将来的にヒルクライムやレース参加を検討している人
OSTRO VAM 2.0は、まさに“1台で何でもこなせるバイク”を求めるライダーにおすすめのモデルです。
まとめ
FACTOR OSTRO VAM 2.0は、空力・快適性・軽さという3つの要素を高い次元で融合させた万能型エアロロードです。設計の緻密さや素材の質感、走行フィールは価格に見合う以上の満足感をもたらしてくれます。
「速さ=硬さ・疲れやすさ」といった従来のイメージを払拭し、エアロバイクの新たなスタンダードを示す1台。性能だけでなく、デザインや所有感でも妥協したくないあなたに、ぜひ一度試してほしいモデルです。



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