― 剛性・制動・変速の精度で“アルミの限界”を塗り替える1台 ―
■ ドイツ的設計思想と現代ロードバイクの融合
corratec DOLOMIT DISC 105(2024年モデル)は、単なるエントリーバイクの枠に収まらない完成度を持つモデルである。
その根幹にあるのは、ドイツブランドらしい**「理詰めの設計と実用剛性の追求」**という哲学だ。
本機は6061トリプルバテッドアルミフレームを採用し、構造材としての剛性分布と応力解析を前提としたチュービング設計が施されている。リア三角にはスリムなシートステーと適度に横扁平したトップチューブを組み合わせることで、垂直方向のコンプライアンスと水平方向の剛性を分離設計。剛性・快適性・重量の最適化を図っている点が注目に値する。
BB周辺のボリュームは厚みと横方向への剛性重視設計で、パワーロスを最小限に抑える造形。そこへShimano 105 R7100 Di2の剛性と駆動系精度が組み合わされることで、入力に対する応答性は価格帯を超えたレベルに達している。
CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 105 Di2 / RS171 ブラック/バーガンディー 48 ( 身長目安170cm前後 )
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■ ジオメトリから読み解く:中庸でありながら破綻のない設計
corratec Dolomite Discのジオメトリは、エンデュランスロードの範疇にありながらも、スポーツ走行のキレを残した絶妙なバランス設計がなされている。
主な数値を以下にまとめると──
項目 | サイズM(参考) | 解説 |
---|---|---|
スタック | 約570mm | やや高めで、上体の起きたリラックスポジションを確保しやすい。ロングライド向け。 |
リーチ | 約385mm | 水平長は抑え気味で、コンパクトなポジションも取りやすい。日本人体型に合う。 |
ヘッドアングル | 約72.5° | 過敏すぎず、安定感と俊敏性のバランスがとれた設計。 |
トレイル値 | 約60mm前後(想定) | ストレートフォークとの組み合わせで直進安定性が高い。 |
チェーンステー長 | 約430mm | ロングホイールベースで直進時の安定感と快適性に寄与。 |
BBドロップ | 約75mm | 重心が下がり、コーナリング時の安定性が高い。 |
- スタック:約570mm
- リーチ:約385mm
- ヘッドアングル:72.5°
- トレイル:約60mm
- チェーンステー長:430mm
- BBドロップ:75mm

この設計はエンデュランス寄りの快適性重視と見せかけながら、ヘッドアングルとBBドロップのバランスで安定性とクイックさの両立を目指している。特にトレイル値と直線的なカーボンフォークの組み合わせにより、高速域での直進安定性と中速域のコーナーリング特性が高次元で調和している。
また、リーチを短めに設計することで、日本人にもフィットしやすい上体の起きたポジションを確保できる点も見逃せない。ステム長とセットバック調整によって、レース寄りにもロングライド志向にも柔軟に対応できるジオメトリである。
CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 105 Di2 / RS171 ライトグレー/ブルー 42 ( 身長目安155cm前後 )
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■ 105 Di2 R7100搭載:変速精度と制動信頼性の絶妙な整合性
本モデルの最大の魅力の一つが、12速Di2電動コンポ(R7100)をフルセットで搭載していることにある。変速機構はセミワイヤレス構成でありながら、上位グレード譲りの即応性と整合動作を有する。
リア12速化によるクロスレシオ化は、特にヒルクライム中のケイデンス制御や、30〜35km/hの巡航維持においてトルクの過不足を最小限に抑える効果がある。変速レスポンスは物理スイッチ特有のタイムラグが皆無で、脚とギアが一体化した感覚を得られる。
さらに、油圧ディスクブレーキの安定性も評価に値する。熱ダレ耐性・握り始めの初期制動から奥での制動コントロールまでが極めて滑らかで、下りやウェットコンディションでも強い安心感を提供する。アルミフレームの重量が加わる分、コントロール性のある制動がトータルバイクの走行安定性を支えている。

シマノ105(R7100)の2×12速コンポーネント
R7100系105の登場により、リアが12速へと進化し、平地から登り坂まで幅広く対応できるギア比が用意されました。
これにより、脚にかかる負担を最適化し、疲れにくい走行が可能です。また、変速の際のショックが軽減され、スムーズなシフト操作が可能です。
コストパフォーマンスに優れたこのコンポーネントは、長距離ライドでも快適さを追求したいライダーに最適です。
優れた振動吸収性:Comfort Stay & アーチトップチューブ
CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 105 Di2 / RS171 マットダークグレー/オレンジ 48 ( 身長目安170cm前後 )
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ドロミテディスクでは、シートステイに採用された横扁平の「Comfort Stay」と、アーチ状のトップチューブにより、路面の凸凹からの衝撃をしっかり吸収する設計が施されています。
特にアルミフレームの弱点とされる振動吸収性に注力し、シートステイとトップチューブの接合部をオフセット配置にすることで、シートチューブのしなやかさも高めています。
これにより、ライダーの疲労が抑えられ、トラクション性能が向上しています。
滑らかなスムースウェルディング

スムースウェルディング加工が施されたフレームの溶接部は、カーボンフレームと見間違えるほど滑らかな仕上がりで、見た目の美しさと所有欲を満たしてくれるでしょう。
見た目だけでなく、空力性能やフレームの剛性にも貢献しており、ライダーの快適なライドをサポートします。
高いブレーキング性能

DISCブレーキを採用しており、制動力が優れているため、急な下り坂や悪天候でも安心してブレーキをかけることができます。
また、フレームのブレーキ周りの剛性が強化されているため、ブレーキをかけた際の安定感が増しています。
特にアルミの上位グレードバイクならではの剛性感があり、パワフルな走行と安定したブレーキングが可能です。
長所とライド体験
このドロミテディスクは、振動吸収性に優れており、長時間のライドでも疲れにくい設計が特徴です。
一般的にアルミバイクは振動が伝わりやすいとされていますが、このモデルは独自のフレーム構造でその欠点を克服しています。
また、登坂やスプリントでもブレーキの剛性とシマノ105のギア比によってしっかりとパワーを路面に伝え、ライダーが意図した通りの走行を実現します。
アルミバイクでも快適性を妥協したくないライダーに理想的です。
以下の通り、コラテック・ドロミテディスク 105 (R7100)の各項目評価をまとめました:
項目 | 評価(5段階) | 詳細説明 |
---|---|---|
ハンドリング | ★★★★☆ | DISCブレーキの剛性強化とスムースウェルディング加工により、安定感がありながらも軽快なハンドリングが可能。カーブでの操作性も優れており、特にアーチ状トップチューブが影響しています。 |
振動吸収性 | ★★★★☆ | アルミバイクとしてはトップクラスの振動吸収性を持つ設計。横扁平のシートステイ「Comfort Stay」とトップチューブのアーチ形状により、路面からの衝撃をしっかり緩和。 |
反応速度 | ★★★★☆ | 12速のシマノ105が搭載されているため、ギアチェンジの反応が早く、加速やスプリントの応答も高いです。さらに、パワーを逃さない設計で、鋭い反応を得られます。 |
ペダリング | ★★★★☆ | 強化されたフレーム剛性により、ペダリングの力を路面に効率よく伝達できるため、登坂や長距離ライドでもエネルギー損失が少ないです。 |
ダウンシング | ★★★★☆ | DISCブレーキと剛性強化フレームにより、ダウンヒル時の安定感があり、安全かつパワフルなブレーキ操作が可能。カーブでも安定した操作性が特徴です。 |
全体的に、コストパフォーマンスが高く、アルミフレームながらも上位モデルに迫る高い走行性能を備えたバイクです。
CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 105 機械式 12sp / RS171 ブラック/バーガンディー 46 ( 身長目安160cm前後 )
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ハンドリング

ドロミテディスク105は、DISCブレーキを搭載したことで制動力が格段に高まっており、ブレーキ時の安定性も非常に良いです。
このフレームは、スムースウェルディングという技術で溶接部が滑らかに仕上がっているため、空力性能が向上し、直線だけでなくカーブでも軽快なハンドリングが楽しめます。
また、トップチューブがアーチを描いたデザインにより、しっかりと振動を吸収してくれるので、特に長時間のライドでもバランスのとれた操作感が感じられます。
アルミながらも、上位モデルに引けを取らないキビキビとした動きと、扱いやすい安定感が特徴です。
振動吸収性

ドロミテディスク105はアルミフレームとは思えないほどの振動吸収性を誇ります。シートステイに採用されている「Comfort Stay」と呼ばれる横扁平形状が、路面から伝わる衝撃を和らげ、ライダーが感じる不快な振動を抑えてくれます。
さらに、アーチ状のトップチューブも振動を分散し、長距離でも体に負担が少ない設計です。一般的にアルミは振動が伝わりやすいと言われますが、ドロミテディスクは細部まで振動を吸収するための工夫が施されており、快適性においても高い評価を得ています。
反応速度
シマノ105 (R7100) 2×12速のコンポーネントを搭載しており、変速がスムーズかつ素早く行えます。
リアが12速になったことで、ライダーはより多くのギア選択肢を持ち、坂道や平地に合わせて自在に対応できるようになりました。
軽いタッチでスムーズにギアチェンジができるので、特に加速が求められる場面でも瞬時に反応し、ライダーのペダルにかける力が無駄なく伝わります。
ツーリングやスポーツライドの際も、シフトチェンジのスピードと正確さが安心感をもたらしてくれます。
ペダリング
このバイクはペダリング時の力をしっかりと推進力に変換する剛性の高いフレームが特徴です。
特にDISCブレーキの採用により、急な加減速にも対応しやすく、ペダルを踏んだ力がしっかりと路面に伝わる感覚が得られます。
登り坂でもギアがスムーズに切り替わり、快適なペダリングが続くため、長時間の走行でも体力が持続しやすく、エネルギー効率が高いです。
ペダルにかけた力がそのまま推進力になる感覚があり、登坂やスプリントでの応答性も非常に優れています。
ダウンヒル性能
ダウンヒルでは、DISCブレーキの強力な制動力と、フレーム全体の剛性が安心感をもたらします。
ブレーキをかけた際もフレームがブレず、しっかりと制御できるため、下り坂のスピードを維持しながらも安定したコーナリングが可能です。
特にカーブでの操作性がよく、滑らかなフレームデザインのおかげで、荒れた路面でも衝撃が分散され、安心してハンドリングできます。
アルミバイクながらも、安定したハンドリングとコントロール性を発揮し、コーナーを抜ける際もスムーズで、ダウンヒルの安心感を高めています。
ドロミテディスク105は、上位モデルにも匹敵する走行性能と快適性を実現しており、長距離ライドや多様な地形でのライディングを楽しみたい方に特におすすめです。
🧪 実走インプレッション:平坦・登坂・ロングライドそれぞれの顔
実際にDolomite Disc 105で数百kmにわたり走行した中で見えた、地形ごとの挙動・感触を詳しくお伝えします。
▸ 平坦巡航:滑らかに伸びるアルミの推進感
速度域30〜35km/hでの巡航では、アルミフレーム特有の直進剛性がしっかりと活きる。ペダルを踏み込んだ瞬間のレスポンスはリニアで、Di2の変速タイミングとの相性も良好。高速域でもハンドルがブレにくく、ストレートフォークとトレイル設計の安定性が効いているのを実感する。
▸ 登坂:軽快な立ち上がり、バランス重視の走り
6〜8%程度の中斜度では、低中速域でもしっかりと駆動力が伝わる構造が安心感を生む。BB周辺の剛性と短めのリーチが活きており、ダンシング時も腰がぶれにくい。ヒルクライム専用機のような軽量さはないものの、再加速性能が高く、トレーニングにも適した粘り強さがある。
▸ ロングライド:振動吸収とコントロール性のバランスが光る
100km超のロングライドでも疲労の蓄積が穏やかで、特にリア三角のしなりとカーボンフォークの減衰性能が大きな効果を発揮。ポジションに無理がなく、首・腰への負担も軽減されている。Di2の変速ストレスの少なさも、後半の疲労時には絶大な恩恵となる。
ームのDOLOMITI DISCでも快適な乗り心地が実現されており、ロングライドでも疲れにくい設計です。
類似したバイク
DOLOMITI DISCに類似したアルミロードバイクとしては、以下のモデルが挙げられます。それぞれが高い剛性と快適性を備え、上級者でも満足できる仕様となっています。
- Specialized Allez Sprint Comp:高い剛性と空力性能を持ち、レース向けのポジションと軽快な操作感が特徴。
- Cannondale CAAD13 Disc:振動吸収性が優れ、ロングライドでも快適に走れるモデル。エアロダイナミクスも向上し、レースからツーリングまで幅広く対応。
- Trek Emonda ALR Disc:軽量で、特にヒルクライムや長距離に最適。安定した操作性と快適性を兼ね備えています。
- BMC Teammachine ALR Disc:剛性とハンドリング性能に優れたレース向けアルミバイク。スムーズで安定した操作感が魅力。
どのバイクも高い剛性と快適性を備え、上級者でも満足できる仕様で、DOLOMITI DISCと同様にバランスの取れた性能を持っています。
🆚 競合モデルとの比較:どこが違う?何が強い?
モデル | フレーム素材 | コンポ | 強み | 弱み |
---|---|---|---|---|
corratec DOLOMIT DISC | 6061アルミ+カーボンフォーク | 105 Di2 R7100 | 剛性感・電動・直進安定性 | 軽量性はやや劣る |
GIANT CONTEND AR 1 | ALUXXアルミ+カーボンフォーク | 105メカ | 安価でバランス良好 | メカ変速の限界感あり |
MERIDA SCULTURA 4000 | カーボン | 105 Di2 R7100 | 軽量でレース寄り | 剛性がやや優しい印象 |
Bianchi VIA NIRONE 7 DISC | アルミ+カーボンフォーク | Tiagra〜105 | 伝統的な快適ジオメトリ | 電動非対応・旧式設計感あり |
コラテックの強みは、Di2搭載機でありながら、ドイツ的な“剛性の質”に軸足を置いていること。 競合が快適性・軽量性を優先しているのに対し、ライドフィールの芯の強さと機械的精度が魅力となる。
🔧 アップグレード構想:将来性も見据えた戦略的ベースバイク
Dolomite Discは、以下のようなアップグレードプランによって、レース用途にも耐える1台へと育てることが可能だ。
カテゴリ | 推奨アップグレード | 効果 |
---|---|---|
ホイール | 軽量チューブレス対応ホイール(例:FULCRUM Racing 3 DB, DT Swiss P1800) | 推進力・登坂力の向上 |
タイヤ | チューブレスタイヤ(例:GP5000 S TR) | 転がり抵抗の低減・快適性UP |
ハンドル・ステム | カーボンエアロ系パーツ(例:DEDA SUPERZERO) | 空力・快適性の改善 |
サドル | 軽量ショートノーズ系(例:Selle Italia SLR Boost) | 骨盤の安定・パワー効率向上 |
最終的にホイールとタイヤのアップグレードだけでも、実走のフィーリングは大きく変化する。
フレームがそれに耐えうる設計となっている点が、上級者の“弄る楽しみ”にもつながるだろう。
■ 総括:高剛性 × 高快適性 ― 実戦を意識した設計思想が光る
本記事では、CORRATEC DOLOMIT DISC 105の設計思想と実走性能に迫ってきた。
このバイクが他のアルミロードと一線を画すのは、単なるコストパフォーマンスの高さではなく、“上級者が納得する走行ロジック”が随所に見られる点にある。
PROSIZE SYSTEMによるジオメトリ設計は、トップチューブ長を基軸としたレーシーなポジショニングを可能にし、骨格や脚質に合わせた自然な前傾姿勢を作り出す。加えて、フロントにはフルカーボンのPRO CONTROL FORKを採用し、横剛性と縦方向のコンプライアンスを高いレベルで両立。高速域での直進安定性と、荒れた舗装での快適性を両立している。
さらに、リアセクションの“COMFORT STAY”設計が秀逸。シートステーにわずかな湾曲としなりを加えることで、ペダリング剛性を損なわずに微細な振動を逃がす構造になっており、100km超のライドでも体への突き上げ感が少ない。
高剛性と振動吸収性のバランス、その設計意図が明確に走りへ反映されている──
それがこのバイクの最大の魅力であり、ロングライドにおける持久戦から、レースでの実戦投入まで幅広い用途に応えてくれる。
「アルミだからこそ信頼できる」
そんな一言で締めくくりたくなる、まさに*素材を活かしきったバイク”である。
CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 機械式 105 2x12S R7120 / WH-RS171 ブラック

CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 機械式 105 2x12S R7120 / WH-RS171 ホワイト

CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 機械式 105 2x12S R7120 / WH-RS171 ダークブラウン

CORRATEC ( コラテック ) ロードバイク DOLOMITI DISC ( ドロミテ ディスク ) 機械式 105 2x12S R7120 / WH-RS171 グレー
